*

「子供を愛しすぎてはいけない」 江戸時代の子育て本 和俗童子訓(貝原益軒)2

公開日: : 子育て, 教育, 本・書籍, 江戸時代

<和俗童子訓の現代語訳 2>

子供がうまく育たないのは、両親、育てる人が教育について、正確なことを知らず、悪いことをやっても許してしまったり、そのまま褒めたりして、子供の本性を損なってしまっているからです。

あるいは、しばらく泣きやませようとして、嘘をついたり、だましたりして、その場しのぎの愛情を示したりする。

その愛情が本当でなければ、それはつまり、嘘を教えていることになるからです。

あるいはふざけて、怖い話をして脅せば、のちのち、臆病者になります。

幽霊や、おばけ、妖怪など事実でないお話は、聞かせないようにしなければなりません。
あるいは子供が気に入らないものについて、正しいことを言わず、子供の誤りを肯定して、とぼけていれば、おごりの気持ちが出てくるものです。

子供をもてあそんで、自分の心を満たすために、いろんな言葉を使って、困らせ、苦しめ、怒らせ、争わせると、ひがみっぽくて曲がった心を生み出し、貪ったり、ねたむ気持ちを引き出してしまいます。

それだけでなく、両親が愛しすぎると、子供が甘えてしまって両親をおそれず、兄弟姉妹をないがしろにして、家にいる人を苦しめてなんでも思うがままにして人をあなどります。

注意しなければいけないことを、むしろすすめて、怒らなければいけないことを、むしろ笑って喜び、いろんな悪いことを見聞きして、悪いことをしゃべったり、行ったりすることに慣れる。

その後、やっと大きくなり、知恵が出てきたときに、初めて注意しても、悪いことの習慣は年齢と共にますます城上達してしまい、長い時間をかけて身に付いてしまったので、本性と同様になってしまい、注意は意味をなしません。

幼い時に教えず、大きくなって突然教えて注意しても、聞く耳をもちません。

本性が悪く生まれてきてしまったと思ってしまうのは、愚かなことであり、迷いが深いことです。

 

fa1b7c311081c4079455e249d14f9cf1

 

生まれたときから愛情は持ちすぎてはいけません。

愛情が過ぎれば、かえって子供をダメにしてしまいます。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<感想・考察>

電車の中で騒ぎちらかしている子供がいても、注意をしない親が注目されることがあります。

小さいときから子供に注意をしないと、中学生、高校生、そして大人になっても電車の中で騒いだりすることになるんだろうと思います。

うちの子も電車でよくわめきますが、静かにさせることはもちろん、誰かを蹴ったりすれば必ず怒るようにしています。

今はまだ2歳なので、意味もわからず怒られていると思いますが、意味がわかるようになったら、電車の中という空間が公共のものであることを伝えて、注意しようと思いました。

また、ご飯を食べている最中に足を机の上にのせようとする癖がありました。

行儀が悪いと言って、足を下に下ろしていましたが、それをおもしろがって何度もやる。

いけないことだと教えないといけないと思い、最後には本気になって足を叩いて怒りました。

こういったことは出来ているなーと思いますが、たまーに、私が嘘をついて言い聞かせることがあります。

それはまずいなということが今回、身にしみました。

鬼から電話というアプリもありますが、これは子供を臆病にしてしまうのかもしれませんね。

愛しすぎてはいけない、というのは言うは易し、行うは難しです。

今は、息子を一人の人間として立派に生きていけるように教えていきたいですね。

関連記事

子供や若者は車内では必ず立つように躾よ

一大実践目標 今から三年ほど以前に、私どもの同志の中で、とりわけ異彩を放つ山本紹之介君は、毎月

記事を読む

父親はわが子を一生のうちに三度だけ叱れ

父親の本務とはいったいなんでしょうか。 第一に、家族を養い育てる経済力です。 これは前にも書

記事を読む

テレビ対策を根本的に確立すべし

テレビ問題 現在わたくしが、家庭教育について最も憂慮に堪えないのは、実はこのテレビ問題なのであ

記事を読む

「子供は厳しく育てるのがよい」 江戸時代の子育て本 和俗童子訓(貝原益軒)4

<和俗童子訓の現代語版 4> 子供を育てるには、「義方(ギカタ)」の教えをして、姑息な愛情を示

記事を読む

金のシマリは人間のシマリ

昔から「一銭を笑う者は一銭に泣く」と言われています。 お金を軽く扱う人は、将来必ずそのしっぺ返

記事を読む

八 財の保全と蓄積

すべて最大活用 前章においては「健康管理」の問題をとりあげ、われわれ人間は、この世において与えられ

記事を読む

親の言うことをよく聞く子にする秘訣 躾の根本原則三か条の徹底

躾の根本は三つの事柄を照っていさせれば、人間としての「軌道」にのせることができます。 たくさんのこ

記事を読む

一生の見通しと設計

洞察と先見 前章においてわたくしは知慧のはたらきについて説明しましたが、これらの種々層を支える最も

記事を読む

「子供を育てるときの心がけは人としての真心」 江戸時代の子育て本 和俗童子訓(貝原益軒)7

小さいときから、 心持ちは柔らかに 人を慈しんで 情の気持ち持って 人を

記事を読む

子供を褒めてはいけない?

人の徳の中でも悪いのは、高慢なことです。 高慢だと自分はいつも正しいと思い込み、悪いところに気

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

十一 子供の教育

夫婦間の危機 前章では、一応「夫婦のあり方」について申しましたが、大

十 夫婦のあり方

夫婦のきまり 私も今までずいぶんと結婚式の披露宴のお招きを受け、祝辞

九 家づくりの年代

持ち家への夢を 先に申したとおり、われわれは人生を大観した上で、大体

八 財の保全と蓄積

すべて最大活用 前章においては「健康管理」の問題をとりあげ、われわれ

七 健康管理と立腰

健康とは 今日のような時代わたしたちは天災・人災のいかんをとわず、い

→もっと見る

PAGE TOP ↑