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「詰め込み教育をするべきである」 江戸時代の子育て本 和俗童子訓(貝原益軒)6

公開日: : 子育て, 教育, 本・書籍, 江戸時代, 道徳

子供が小さいときから、父、母、兄等の年長者に仕えさせ、お客様に対しては礼をもって応対し、読書、習字、芸能を学ばせて、悪いことをする暇がないよう、苦労させましょう。

その場限りの遊びに時間を費やし、悪い習慣を身につけさせてはいけません。

衣服、飲食、器物、住まい、使用人にいたるまで、その家のだれよりも立場を低くして、簡素で、面倒見てもらうことも少なく、子供の心ゆくままにならないほうがよいです。

小さい時に、困難や厳しいことに慣れれば、大きくなっても苦労に耐えることができるようになり、忠孝の務め(年長、上司に仕えること)に苦しむこともなく、病気も少なく、驕りの気持ちもなくて、勝手気ままにはなりません。

家を保つことができて、一生幸せとなり、後の人生で楽しいことが多くなります。

あるいは不慮のことがあり、貧しくなったり、戦場に出ても、身体が苦しむことはありません。

このように子供を育てることが、本当に子供を愛することなのです。

一方、小さいときから衣食住が豊かで、面倒もたくさん見てもらい、好き勝手させると、驕りの気持ち、私欲がたくさん生まれ、病がちになり、困難で厳しいことに耐えられません。

父や母、上司に仕えることになっても、その務めに苦み、忠孝を行いづらく、学問や芸能の努力も成就しません。

何かあった時に、その苦しみに耐えることができません。

陣中に長くいることになったら、その苦労に耐えられず、病気になります。

戦場に望んでは、気持ちは勇んでも、体は弱く、激しい働きができずに人に遅れをとって功名を得ることも難しいでしょう。

 

また、子供が男の子一人であれば、この上なく愛して大切にするべきです。

愛して大切にするというのは、教え、注意して、苦労をさせて、後々に病気がなく、災いがないよう、配慮することです。

姑息の愛で、子供を損なうのは、本当の愛を知らないのです。

人は、若い時には、艱難辛苦をなめ、忠孝の務めを行い、学問に励んで、芸能を学ぶべきです。

このようにすれば、間違いなく人よりも名を上げて身を立て、後々の楽しみが多くなります。

若い時に安楽で、するべきことをしないで、苦労を経験しなければ、大人になった時に人に及ばなくなり、後々の楽しみはなくなります。

 

若いときの苦労

 

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これは賛同するべき点が半分、異論半分といったところでしょうか。

確かに子供は厳しく育てたほうが良いと思います。

礼儀がしっかりしていない、ルールを守らない、年長者をないがしろにする、等、道徳に反したことをしたときには、しっかりと厳しくしつけたほうがよいと思います。

ですが、しっかり礼儀ができていたり、ルールを守った時、あるいは今までできなかったことができた時にはしっかりと褒めたほうが、子供にも何がよくて、何がよくないのかが明瞭になるかと思います。

そして、褒めることは良いところを習慣化するよい方法ではないでしょうか。

例えば、うちでは「いただきます」を必ず言ってから、ご飯を食べさせるようにしています。

言わない限りは食べさせないようにしています。

妻は20分くらい、息子と我慢比べをしたこともありました。

雰囲気は、とてもよいものとは言えませんが、それでも息子が「いただきます」と最後に言ったら、「よく言えたねー!すごい!」と今までの雰囲気とはうってかわって褒めるようにする。

そうすれば、ご飯の前に「いただきます」することは良いことなんだと体で覚えてくれるようになっていると感じています。

褒め過ぎもいけませんが、褒めなすぎも萎縮させてしまうので、しっかりと子供の成長具合いを感じてバランスをとっていきたいと思いました。

苦労をさせたほうがよい、というのは同感です。

ハウス栽培の野菜よりも、自然の脅威に見舞われながら育った野菜のほうが強いし、中身もしっかりしています。

もちろん、野ざらしではいけないとは思いますが、遠くで見守る意識で子供には困難に接する機会、環境を作っていこうと思います。

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