*

子供を褒めてはいけない?

公開日: : 子育て, 教育, 本・書籍, 道徳

人の徳の中でも悪いのは、高慢なことです。

高慢だと自分はいつも正しいと思い込み、悪いところに気づきません。

間違いを聞いても受け入れません。

そのため、悪を改めて、良い徳に進ませることは困難です。

たとえ、すぐれた才能があっても、高慢で自分の才能に自惚れて、人を侮れば、これは凶悪な人間というしかありません。

 

だから子供の良い行い、才能にあふれたことを褒めてはいけません。

褒めれば高慢になり、気持ちをコントロールできず、自分が至らないところ、不徳なところに気付かなくなります。

自分は頭がいいと思うと、他から学ぼうと思わず、学問を好まず、人の教えも求めなくなります。

もし父が愛におぼれて、子供の悪いところに気付かず、素行が悪くてもべた褒めし、大した才能がなくても優秀だ、と思うのは愚かなことです。

 

良いことを褒めれば、結果的にその良いことを失い、上手なことを褒めれば、結果的にその上手なことを失います。

子供は絶対に褒めてはいけません。

その子にとって害になるだけでなく、人にも愚かなことだと思われて、悔しいことではないですか。

 

親が褒めた子供は、たいてい良くならず、学問も技能も拙いものになります。

篤信は昔、こう言いました。

「人には3つの愚がある。自分を褒め、子供を褒め、妻を褒める。これらは全て愛に溺れるがゆえである」

(和俗童子訓より)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

【感想・考察】

子供を高慢にさせてはいけないですが、褒めないほうがいいというのはどうなんでしょうか。

常に厳しく育てよ、ということだと思いますが、萎縮してしまうと思います。

時代が違う、という使い古された言い訳かもしれませんが、昔はそれでもよかったのかもしれません。

いや、おそらく、これは江戸時代の上流階級の子供向けに書かれたことなので、極端な教えになっているのかもしれませんね。

上流階級の子息、とくに世継ぎともなれば、取り巻きはもちろん、多く、その中でも取り入る人間がいるかもしれません。

甘い言葉をかけられやすい子供たちだからこそ、父としては厳しく接するべき。

そんな思いが込められているかもしれません。

 

私自身は子供に対して褒めが8割、躾のために叱るのが2割くらいになっています。

理想は褒めが9割、叱るのが1割くらいが理想だと思っています。

普段は褒めて、叱るときは烈火の如く叱る。

 

子供を伸ばすことを主に考えて、たまーにおかしいところを剪定する。

それが理想ですね。

 

褒めて!高校生でもこんなに褒めてほしい!

 

関連記事

九つほめて一つ叱れ

わたくしは、「立腰こそはわが子の性根を養う極秘伝」として8章でも力説しましたが、人間というものはなん

記事を読む

子供の前では絶対に「夫婦喧嘩」はするな!!

昨今の青少年の非行化は今なお大きな社会問題の一つです。 その根本原因をつきつめると、一言でいえ

記事を読む

お母さんの祈り

『イソップ物語』にある寓話だと思いますが、北風と太陽とがあって、あの子のマントをどちらが早く脱がすこ

記事を読む

明日の日本を

五事を正す いよいよ最終章になりました。 一貫して申し上げてきたことは、森信三先生の教えに沿

記事を読む

父親人間学

家庭の危機 戦後20年たったころから「親子の断絶」というコトバが叫ばれ、人間疎外とか父親不在とかい

記事を読む

「子供を育てるときの心がけは人としての真心」 江戸時代の子育て本 和俗童子訓(貝原益軒)7

小さいときから、 心持ちは柔らかに 人を慈しんで 情の気持ち持って 人を

記事を読む

金のシマリは人間のシマリ

昔から「一銭を笑う者は一銭に泣く」と言われています。 お金を軽く扱う人は、将来必ずそのしっぺ返

記事を読む

「子供は厳しく育てるのがよい」 江戸時代の子育て本 和俗童子訓(貝原益軒)4

<和俗童子訓の現代語版 4> 子供を育てるには、「義方(ギカタ)」の教えをして、姑息な愛情を示

記事を読む

「教育は早いうちから」 江戸時代の子育て本 和俗童子訓に学ぶ 1

「和俗童子訓」は江戸時代の学者、貝原益軒が1710年に著述した書物で、日本で最初にまとまった教育論書

記事を読む

父親を軽んじては我が子の「人間教育」はできない!!

我が子の家庭教育について、それでは父親はいったいどのような役割を果たすものなのでしょうか? 男

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

十一 子供の教育

夫婦間の危機 前章では、一応「夫婦のあり方」について申しましたが、大

十 夫婦のあり方

夫婦のきまり 私も今までずいぶんと結婚式の披露宴のお招きを受け、祝辞

九 家づくりの年代

持ち家への夢を 先に申したとおり、われわれは人生を大観した上で、大体

八 財の保全と蓄積

すべて最大活用 前章においては「健康管理」の問題をとりあげ、われわれ

七 健康管理と立腰

健康とは 今日のような時代わたしたちは天災・人災のいかんをとわず、い

→もっと見る

PAGE TOP ↑